GRADUATES
卒業生インタビュー
- 勤務先
- 株式会社熊本日日新聞社(記者)
- 在学時所属
- 文学部 日本語日本文学科 2020年度卒業
清水 咲彩さん
SAAYA SHIMIZU01
現在どんなお仕事をされているのですか?
熊本日日新聞社の政経部で記者をしています。主に、市場で旬の魚や青果物、花きなどの入荷状況などを取材し、原稿にしています。また、県内企業の経済活動なども取材しており、4月の入社直後には熊本駅に隣接する大型商業施設「アミュプラザくまもと」の開業の取材に携わりました。
なぜ新聞記者を目指されたのでしょうか?
「国語科の教員」になりたくて大学に入学しましたが、大学3年生の夏に「報道記者になりたい」と思うようになりました。きっかけは、弊社のOB記者が文学部生を対象に開講した「アカデミックスキル」という講義です。その講義では、「外国人との共生」をテーマに教育、医療、福祉、選挙権などの外国人が日本に暮らす上での課題を調べ、発表をしました。私は外国人児童生徒の教育をテーマに、教育現場ではどのように日本語教育が行われているのか課題は何かを探るため、八代市の外国人児童生徒に日本語を教えているボランティア団体を取材しました。取材を通して、外国人への日本語支援の中で、子どもへの日本語支援は後回しにされてきたということを知りました。子どもは未来を担う存在であるのに、外国人児童生徒への日本語支援はなぜ後回しにされてきたのかと疑問に感じ、記事を書くことで、「子どもたちが育つ環境を整える架け橋になりたい」と思い、記者を目指しました。
記者の仕事の魅力を教えてください。
毎日新鮮な気持ちで仕事ができることに魅力を感じます。取材を通してさまざまな方と出会う機会があり、毎日が新たな発見と勉強の繰り返しです。また、学生時代は文学部に所属しており、記者になってからは、経済分野の取材をしています。大学時代とは見ている分野が変わり、「経済の視点とはなんだろう?」と考え、悩むこともありますが、毎日違った発見があり、充実した日々を送っています。
熊本県立大学での経験がお仕事にいきていると感じるのはどんな時ですか?
文学部での4年間を通して、「忍耐強く資料や文献などに向き合うこと」が大切だということを学びました。私は日本近代文学のゼミに所属し、遠藤周作の文学作品について卒業論文を書きました。演習や論文の執筆では、1つの答えを出すために、複数の文献に触れます。文献を読み解くのに1日かけても全く進まず、しんどさを感じることもありました(きつくて投げだしたこともあるため、模範学生ではなかったですが・・・)。しかし、作者が伝えたいことを正確に捉えるには、忍耐強く丹念に文献を読み込む必要があります。記者になり4カ月。記者の仕事も文学部での研究と同じように、さまざまな資料やデータを丹念に調べ、取材し原稿を書くことも。そのようなときに、文学部の4年間で得た、「文献などに忍耐強く向き合う」ということが生かされているなと感じます。
熊本県立大学での学生生活における思い出を聞かせてください。
アカペラサークルに所属し、白亜祭に出演したことや、研究室で夜中まで友人と卒業論文を執筆したり、教育実習に行ったり、韓国へ短期研修に行ったりと熊本県立大学の4年間は非常に充実していました。
中でも、学生生活で最も印象に残っている思い出は、大学1年次の夏休みを利用し、姉妹校である韓国の祥明大学校へ短期研修に参加したことです。当時、韓国語を履修していたこともあり、友人と一緒に研修に参加しました。研修期間中は、現地の学生と交流する機会や伝統文化に触れる機会に恵まれ、有意義な時間を過ごすことができました。しかし、研修中に現地の学生と会話をしている中で、「熊本や日本の魅力について教えて欲しい」と言われ、うまく答えることができなかった自分自身に情けない気持ちになりました。そのとき、「もっと熊本や日本のさまざまなことを知りたい!もっと勉強しなければいけない!」という思いがあふれてきました。この経験を通して得た「知りたい!」という思いが、今の職業である「記者」にもつながっているのではないかと感じ、印象に残っています。
受験生の皆さんにメッセージをお願いします。
大学では高校生の時とは違い、自分の学びたい学問を深く研究できる環境があります。さらに、海外への短期研修に参加したり、サークル活動を楽しんだりと、「自分のやりたいこと」に挑戦できます。あらゆる可能性に期待を寄せて、熊本県立大学を受験してほしいです!応援しています!
掲載内容は取材時(令和3年8月現在)のものです。