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LABORATORY

環境資源学専攻では、持続可能な開発の考え方に基づき、
環境に関する様々なテーマで研究をしています。
皆さんも、一緒に環境のお医者さんを目指しませんか?

研究室No.1

大気環境学研究室 (張 代洲教授)

大気中の浮遊物質に関する研究について

東アジアの大気環境を中心に黄砂やPM2.5といった現象や問題を大気中に浮遊している微粒子や微生物の面から研究しています。浮遊している微粒子を採集し、ミクロレベルまで観察できる電子顕微鏡を用いて、微粒子の形状や成分を観察し、どのような粒子(例えば砂粒や硫酸塩など)が存在しているかを調べます。また、浮遊している微生物を採集し蛍光顕微鏡で生存状態を判断したり、DNAを抽出し解析を行ったりしています。これらの結果と気象条件(気圧や天候など)を組み合わせ、浮遊している微粒子や微生物がどのように飛んで来るのか、どのような影響をうけているのかなどを検討しています。

研究室No.2

資源循環化学研究室 (石橋 康弘教授)

複数の下水処理場からバイオガスを効率的に集約・活用する技術

下水処理場では排水処理後に汚泥が発生します。この汚泥は有機物を多く含むので、メタン発酵によってメタンガスを含むバイオガスを得ることができます。このガスはエネルギーとして活用できますが、小規模な下水処理場ではガスの発生量が少ないために、十分に活用できない場合があり、余剰となったガスは燃焼処理により廃棄されています。この下水処理場の余剰ガスを精製装置によりメタンガスの純度を高めた後に、吸着剤入りの吸蔵容器でガスを貯蔵し、容器ごと車両で運搬することにより、1箇所に集約してより大きな発電規模で効率的にエネルギー化する研究を進めています。

研究室No.3

環境分析化学研究室 (小林 淳教授)

さらなる水環境の保全に向けて

私たちの身の回りには多くの製品があふれています。これらの製品を作るには、さまざまな化学物質が使われています。世界中で日々、新しい化学物質が作られていますが、これらの化学物質あるいは過去に環境中に排出された化学物質が、人間や動植物に悪い影響を与えないようにしっかりと管理する必要があります。本研究室では、私たちの暮らしや産業と環境とが調和した社会づくりに貢献するため、水環境や生物中に含まれるさまざまな化学物質を高性能な分析機器で調べています。有害な化学物質が水環境中にどのくらいの濃度で存在し、どのくらい生物に濃縮されるのか、などについて野外調査に加えて実験室での実験も組み合わせて調べています。

研究室No.4

水環境科学研究室 (阿草 哲郎准教授)

途上国における環境汚染問題の解決に向けて

途上国について、どのようなイメージをもっていますか? 途上国の特徴は、人口増加と経済成長が著しいことです。しかし、環境に対する配慮は十分でなく、さまざまな環境問題が発生しています。化学物質による環境汚染もその1つであり、人為起源の汚染だけでなく、自然起源のヒ素による地下水汚染もあります。ヒ素は毒性が高く、発がん性もあります。水道のないところでは、地下水が飲み水として使われており、そういったところでは数千万人規模のヒ素中毒が発生していると言われています。このような途上国の環境汚染問題を解決するために、どのような化学物質が見つかるのか、どのような影響が出ているのか、どのような対策をすればよいのか、いろいろ調べ、分析し、考えていく必要があります。
From “KENDAI” to the World!! 世界を舞台に研究してみませんか?

研究室No.5

植物資源学研究室 (松添 直隆教授)

環境に優しい農業技術の開発

本研究室では、化学農薬に頼らない環境に優しい農業技術の開発を進めています。そのひとつとして、非病原性株を利用した土壌病害の生物的防除法の研究を紹介します。突然変異により作出された青枯病菌の非病原性株を、トマト、ジャガイモ、ナスに事前に接種すると、病原菌感染後の発病が抑制されることを明らかにしました。本防除法の実用化に向けた研究を行っています。

研究室No.6

海洋資源学研究室 (一宮 睦雄教授)

海の生物資源を支えるプランクトンの生態

海水を顕微鏡でのぞくと、多種多様で美しい形をしたプランクトン(浮遊生物)を観察することができます。海の生態系はプランクトンから魚類へと食物連鎖が繋がっており、プランクトンは食べられることによって、さまざまな海洋生物の命を支えています。私たちは有明海や八代海といった身近な海から、大型の研究船に乗って外洋である黒潮や親潮域、海氷の発達するオホーツク海にまで出かけて、さまざまなプランクトンの生態を調べています。

研究室No.7

海洋生態学研究室 (小森田 智大准教授)

砂の干潟にアサリを復活させる!

今から約40年前、熊本の有明海や八代海に面した砂の干潟では、アサリ漁に湧いていました。全国で水揚げされるアサリの約4割にあたる5万トンを超えるアサリが毎年獲られていました。今、そのアサリは1年でわずか1000トンくらいしか獲れません。なぜ、アサリは砂の干潟からほとんど姿を消してしまったのでしょうか? 砂の干潟の生態系に起きた異変の謎解きを始めて、すでに20年の歳月を経ました。この研究を通してわかってきたことも、まだまだわからないこともあります。また、ただ謎解きの研究を進めるだけではなく、アサリの稚貝を大量に捕集する技術も開発されてきました。アサリの稚貝を捕集して、もとのようにアサリに満ちた干潟に戻す試みを始めています。

研究室No.8

英語教育研究室 (Morrow Jeffrey Stewart准教授)

持続可能なエコツーリズムを考える

旅行者に環境の大切さを意識させ、旅行中、気をつけさせてくれる点において、もともと重要であった持続可能なエコツーリズムは、熊本地震以降、特に重要になってきています。もちろん、私たちは、旅行者に対し、阿蘇や熊本を訪れるのが安全なことを伝えなくてはなりません。環境資源学専攻では、学生が自身の考えをグローバルに発信できるように、英語教育を行っています。このやり方で、エコツーリズムに関する考えも英語で教えることにより、学生らは英語を使って阿蘇山や熊本の自然について、海外からの旅行者に伝えられるようになります。